乳房再建ネットワーク
乳房再建について
 乳房再建とは、乳房を形成し元の形に戻すことをいいます。 乳癌の術後の患者様は乳房を切除した後に、いろいろな悩み(女性としての悩みや日常生活での悩み)を多く持っている方が多いようです。乳房を形成することで、悩みや心の負担を少しでも癒す事を目標にしています。

乳房再建を受けるのに望ましい時期
 乳房再建は、乳房温存にて部分切除を受けた方も、乳房切除を受けた方もすべての乳房を再建することが可能です。乳房全摘の人工乳房挿入の再建術は乳がんの手術と同時に一次再建することも可能です。乳房切除後の場合、切除後1〜3年経過した後のほうが、再発などの心配もなく望ましいともいわれています。基本的には何十年たっていようが再建は可能です。ただし、手術を行うわけですから、免疫力の問題もあるため、若いうちに受けられた方が、望ましいと考えられます。

乳房再建の方法について

乳房切除(全摘)術の場合:
 乳房インプラントによる再建: 健康保険適応となったシリコン製の乳房インプラントを用いて再建します。組織拡張器(エキスパンダー)を併用した二期法が、現在のところ一般的です。 自家組織による再建(皮弁法): お腹や背中などの自分の組織を移動することにより再建します。血管が繋がったまま移動する方法(有茎皮弁法)と、一旦切り離してから移動する方法(遊離皮弁法)があります。

乳房温存(部分切除)術の場合
 乳房形成術による再建: 乳房温存術後に残った乳房組織を利用して乳房の形態を整える方法です。 自家組織による再建(充填術): 損なわれた組織を乳房切除術と同様に皮弁法を用いて充填することで再建します。



再建の時期を表す用語として「一次再建、二次再建」、必要な手術の回数を表す用語として「一期再建、二期再建」があります。

【一次再建 (同時再建)】
  乳がんを切除する手術と乳房再建のための手術を同時に行う方法です。
  利点:乳房の喪失感をあまり感じないですむことや手術の回数が
     少なくてすむことが挙げられます。
  欠点:同時に手術が行われるため、手術までの短期間に乳がん治療と乳房再建の
     両方について理解し、手術方法を決定しなければならないことがあります。

【二次再建】
  乳がんの手術や化学療法などの補助療法が一段落したところで再建を行う方法です。
  利点:再建手術の内容についてじっくり考える時間をとれる。
  欠点:再建までは乳房を失った状態で暮らさなくてはならないこと、
     手術の回数が一回多くなることが挙げられます。
 ※二次再建を選択した場合、乳がんの手術と乳房再建の手術は別々の日程に
  なりますから、それぞれの手術を別の病院で受けることも可能です。


【一期再建】
  1 回の手術で乳房のふくらみを作る方法です。

【二期再建】
  乳房マウンドを 2 回の手術で作る方法です。
  乳がんの手術で切除された皮膚の不足分を補うため、まず 1 回目の手術で
  組織拡張器(エキスパンダー) を再建部位に埋め込みます。その後数週から
  数ヶ月かけてエキスパンダーに少しずつ生理食塩水を注入して膨らまし、
  再建部位の皮膚を伸ばしていきます。皮膚の余裕が十分できてから、
  エキスパンダーを取り出してシリコンインプラントや自家組織と入れ替える
  2 回目の手術を行います。

  最近では、一次二期的再建が一般的に行われています。

  ※ 日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会ページより引用


ティッシュ・エキスパンダー/インプラントによる乳房再建術

(乳房全摘の人工乳房挿入)
この方法は、大胸筋の下にティッシュ・エキスパンダーという皮膚拡張器(袋)を入れておき、皮膚の余裕をみながら約2週間おきくらいに少しづつ食塩水を注入して、3ヶ月〜6ヶ月たって充分皮膚が伸びたところで人工乳房に入れ換える方法です。この再建を行う時期については、一次再建と乳癌手術後数年たって行う二次再建があります。期間をおいて2次再建を行う場合も温存手術後の傷跡を利用するために、あらたな傷ができることもありません。現在、使用されている人工乳房やティッシュ・エキスパンダーは製品が改良されて、やぶれたり、漏れたりすることは少なくなりました。

(乳房温存術後の人工乳房挿入)
 乳癌の温存部分切除された方で、大胸筋が残っていて乳房部の皮膚にゆとりがあり多少の皮下脂肪が残っている場合に用いる方法です。
 皮膚にあまりゆとりがなくても皮下に厚みがある場合は、まず、ティッシュ・エキスパンダーという袋を入れておき、皮膚の余裕をみながら少しづつ食塩水を注入して数ヶ月たって充分皮膚が伸びたところで人工乳房に入れ換える方法です。この方法は、他の手術にくらべて手術時間も2時間程度と短く、手術後の痛みも少ないです。また、乳房切除の傷跡を利用するために、あらたな傷ができることもありません。


【ティッシュ・エキスパンダー(組織拡張器)の種類】
 患者さんにあった形状、大きさを使用します。
  


【インプラント(シリコン製人工乳房)の種類】
 患者さんにあった形状、大きさを使用します。
 

写真引用:アラガン・ジャパン株式会社


再建後の乳癌検診の必要性について
 乳房再建を行ったあとも定期的な検診をうける必要があります。いろいろな再建術がありますが、表面ではわからない(しこりを感じない)場合もありますので、画像検診を行うことをお勧めします。 ※乳房再建を受けたからといって、再発やがんの転移の原因になるという医学的根拠はありません。





くわしくは、日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会のページを御覧ください。

http://jopbs.umin.jp/index.html

宮崎県で乳房再建可能な施設(日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会登録施設)

(エキスパンダー実施施設認定)
 ・宮崎県立宮崎病院(一次のみ)
 ・ブレストピア宮崎病院(一次のみ)
 ・宮崎大学医学部附属病院(二次のみ)
 ・宮崎江南病院(二次のみ)

(インプラント実施施設認定)
 ・宮崎大学医学部附属病院(一次二期・二次再建のみ)
 ・宮崎江南病院(一次二期・二次再建のみ)
 ・ブレストピア宮崎病院(一次一期再建のみ)




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